チキチキ!火種だらけの映画評

映画のネタバレ記事が多いと思います。私の映画の趣味をやさしい人は“濃い”といいます。

2013-01-01から1年間の記事一覧

演劇「て」評:『桐島部活やめるってよ』の映画部顧問が本当に自分の半径1mを描いていた件について

「桐島、部活やめるってよ」の映画部顧問。「自分の半径1mをテーマに映画を撮れ」と前田君に言って、「桐島、部活やめるってよ」を観た全ての人間から顰蹙を買ったあの先生は、本当に自分の半径1mをテーマに脚本を書いていた。 この先生を演じる岩井秀人さ…

「人を殺すこと」で自分を解放する?鬼才!韓国人監督パク・チャヌクの『イノセントガーデン』の衝撃

■あらすじ インディア・ストーカー、18歳の誕生日。彼女は「何か」を探していた。毎年彼女には同じデザインの「靴」が送られる。その「靴」を探しているのだ。今年は少し様子が違った。「靴」の他に鍵が入っていたのだ。 その日、18本のロウソクが立った…

妻を取り戻せ!ラブ・コメディ映画「ラブ・アゲイン」が王道映画として優れていたので、ちょっくら分析してみた。

「ラブ・アゲイン」観ました。 本当に計算されつくした脚本でした。ネタバレ全開で書くこのレビューを読む前に一度、ご鑑賞することをお勧めします(一番の核心には触れないけど)。 『ラブ・アゲイン』予告編 - YouTube ■ あらすじ 冴えない中年オヤジのキ…

ルーマニア映画「汚れなき祈り」は、独裁体制が崩壊した後の北朝鮮を描いている(かもしれない)映画だ。

『汚れなき祈り』予告編 - YouTube ■あらすじ ―ルーマニア社会の問題点を交え― この映画はドイツに暮らしていたアリーナが、一時的にルーマニアに帰郷するところから始まる。アリーナを迎えるのは、彼女の孤児院での親友のヴォイキツァ。ヴォイキツァは、街…

ビンラディンを殺すことに命をかけた女の話「ゼロ・ダーク・サーティ」をべた褒めしたい!

非常に素晴らしい映画、誠実で作り手の志の高さが伺える。自分もこういう志の高さを持ちたいと思う。 映画『ゼロ・ダーク・サーティ』予告編 - YouTube ■あらすじ 「9.11」アメリカ合衆国に悪意が襲来した。その悪意の送り主、ビンラディンは、その数ヵ…

イラン映画を観よう。「別離」から観るイスラム国家イランの住み辛さ。

2011年度アカデミー外国語映画賞受賞作品。イラン映画。反政府的な映画を作ると即逮捕のイラン。 故に「別離」で描かれたようなテーマを扱う場合「反政 府的なこと、反イスラム的なことを言わないよう(政府にも文句を付けられないよう)、観ているもの…

後悔しない人生の選択を。映画「JUNO/ジュノ 」で学ぶ「生き方講座」

「生き方講座」なんて仰々しいものではないです。すいません。ただの映画「JUNO/ジュノ」感想ですが、人生の選択、その大切さを扱った映画だったので、このようなタイトルにしました。 元々、面白いという噂は聞いていたけど(アカデミー脚本賞を獲っていた…

「26世紀青年」というバカすぎるブラックコメディ映画を観たよ!

初めに言っておきます。この映画。クソ面白ぇから絶対観たほうがいい! <あらすじ> アメリカの軍隊に、とても平均的な男がいた。彼の名前はジョー。彼は誰も来ない軍隊の資料室で、テレビを観るだけの毎日を過ごしていた。そんなあ る日、そこからの移動を…

大島渚の「御法度」のリアルじゃない首から、大島渚の魅力を説明してみた。

<前文> ある日テレビをつけると「戦場のメリークリスマス」で有名な大島渚監督が亡くなったというニュースが流れていた。様々な著名人が「惜しい人を亡くした」と述べている。 「そういえば、大島渚監督の作品を一本も観たことがないな」と教養の低さを露…

【全人類観るべし!】『ふがいない僕は空を見た』を観て、ふがいなかったあの頃を思い出した。【俺のベスト1だ。】

「ふがいない僕は空を見た」を観ました。2度観ました。1度目はショックが大きくて、自分の感情が先走りすぎてレビューが書けませんでした。 観終わった後、『大阪梅田のロフト、ジュンク堂、阪急メンズ館を1回から最上階まで往復し、阪急メンズ館のトイレ…

【観てない人は】DVD化されていない名作「カルフォルニア・ドールズ」の素晴らしさを語ろう【人生損している】

「カルフォルニア・ドールズ」を観た。 営業社に乗って今日もどさ回り。これが取引先のスーパーを周る営業の話だったら、夢も希望もない。 『カリフォルニア・ドールズ』『合衆国最後の日』予告編 カルフォルニアドールズ は、黒髪のアイリス(ヴィッキー・…

「LOOPER/ルーパー」は新しいSF映画への序章である。フルーチェも、相容れない要素を混ぜたことでできたんだ!という激励。

「ルーパー」を観ました。ルーパーと呼ばれる殺し屋(ジョセフ・ゴードン・レビット)が、30年後の未来からタイムトラベルしてきた自分(ブルース・ウィ リス)を殺そうとするお話でした。いろんな要素を取り込みすぎて、最初と最後で全く違う映画になって…

『96時間』のリーアム・ニーソンと、ライダーマンの“哀愁”の違いは「ポルノであるか、そうでないか」であるという指摘。

「96時間」観ました。『さらわれた娘をクソ強い親父が取り返す映画』でした。 映画「96時間」トレーラー 観ている最中にコマンドーを思い出しました。だから、「深く考えたら負けかな」と考え、考えるのをやめました。細かい指摘をしだすとキリがないとい…

夫婦倦怠映画のススメ。「ブルーバレンタイン」を観て人生の予習をしよう。

付き合い始めたラブラブカップルにプレゼントするというテロ行為を行ないたい。「これを観て、どう思ったのか、二人で話しあってね」なんて言ってね。 映画『ブルーバレンタイン』予告編 このお話。 妻と娘ラブの家庭が一番大事、社会に適合するとかどうでも…