チキチキ!火種だらけの映画評

映画のネタバレ記事が多いと思います。私の映画の趣味をやさしい人は“濃い”といいます。

夫婦倦怠映画のススメ。「ブルーバレンタイン」を観て人生の予習をしよう。

付き合い始めたラブラブカップルにプレゼントするというテロ行為を行ないたい。「これを観て、どう思ったのか、二人で話しあってね」なんて言ってね。

 


映画『ブルーバレンタイン』予告編


このお話。

妻と娘ラブの家庭が一番大事、社会に適合するとかどうでもいい型、「夫」と、

正看護師の仕事と家事をこなすキャリアウーマンな、「妻」が、

すれ違って離婚するまでを描いた作品。


『500日のサマー』と同じ構成で、結婚している夫婦が壊れるまでと、結婚するまでを対比して描くという“鬼畜の諸行”で描かれる作品。

恐ろしい までのリアリティと非常に洗練されたギクシャクした夫婦の会話、しぐさの描写は見てるものを居た堪れない気持ちにすることは間違いない一作。

多くの人が自分の恋愛や結婚に引き寄せて語る。

「『妻をラブホテルに誘う作戦』を永久に実行することがなくなりました」

「結婚したら負けだと思うようになりました」

と夫に共感するネガティブ男子続出。
また、ヒロインの「初体験は13歳、経験人数が20人」という恐怖の回答に童貞たちは「ただのビッチ映画だった」と主題とずれた反応を示す始末。

じゃあ、お前の立ち居地はどうなんだ?

と問われると。それは私は女性の味方。

わりと奥さん側の立場に立って観ていたと思います。

ラブホテルの予約 時も「奥さん仕事で朝早いって言ってんじゃん、何勝手にラブホテル予約しちゃってんの」と思ったり。

 

車の中での喧嘩も「何?コイツめんどくさッ」とドンド ン嫌いになっていき、ラブホテルでの旦那の「子供ほしい(●´ω`●)」発言に明らかに顔つきが変わった奥さんに「ですよね~」と共感する始末。


どうやら、私「働かざるもの食うべからず」という価値を持っており、家族とか大事にするとかいって、「ダラダラ酒のんで働いているお前が調子こいてんじゃねぇぞ、家事もしてないわけだし」と思ってしまうわけですよ。(誰だ!お前が言うなって言った奴)


しかも、その後、奥さんの職場にのりこんで行って無茶苦茶する訳で、「何この人?何なの?信じられへん」と「うっわ」感に苛まれたわけですね。

このままじゃ夫、超悪者じゃないですか。

実はこの現在壊れていく描写と交互に語られる、結婚までのラブラブだった時、これがミソなんですね。

実はこの夫、娘が自分の子じゃないのに、認知して、出会ったばかりの一目ぼれした奥さんと結婚してるんですよ。


「やっぱりバカだ」とお思いになったかたもいらっしゃる。

が、奥さんあんたそれで良しとして結婚したわけじゃないですか。

というか、自分の子じゃない子を妊娠した女性と結婚するなんて、幼稚なヒーロニズムを持っていたとしてもとてもできたもんじゃないですよ。


「お前、スゲェな」

と私はここでこの夫に「何とも言えぬ敗北感」感じを悔しくて泣くという変な状況になったわけなんでございますよ。

で、

「俺に勝っ たんだから、お前ら幸せになれ……」という気持ちと

「やっぱりこういう幼稚なヒーロニズムに酔う奴は理想を語り、それを決して曲げないよね、どんなに居た 堪れない状況にあったとしても、ああ痛々しい」という気持ちが

せめぎ合い、「ラブホテルでの旦那の「子供ほしい(●´ω`●)」発言を思い出したりして、

 

「いろいろ考えたんだけど、貴方はやっぱり、歪んだヒーロニズムを持ったバカだったんだね(´A`。)」と思い、

今までの結婚生活全てを、楽しかった結婚 生活すら全てを否定したくなった奥さんとシンクロしてしました。

最後の「幸せだった生活のエンドクレジット」を観て、「ごめんなさい」となってしまった 人、それが私。なわけです。

これからいろいろ経験すれば、もしかしたら立ち居地はかわるかもしれませんが、

「ひとえに何が幸せなのか…自分ですらぶれるし、解っていないの に、それを他人に求めるのはどうなのか」

という思いますし、この夫婦が問題だと思うのは、お互いに歩み寄る姿勢が全くなく旦那は奔放に、奥さんは我慢して 最後爆発という流れなわけですな。

じゃあお互いに歩み寄って、こんなどうにもならない状況になる前に喧嘩してでもお互いの気持ちを伝い合える事が大切。

み たいな結論でしめると。

「人間本来、事なかれ主義だから無理!、わざわざ火種を作るって事でしょ。そんな上手く行くわけない!」

 

なんて反論が出てくるわけ で、まぁ締まりませんな。

もういいです。